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株主総会の参加資格は?2つの要件と注意点をわかりやすく解説

株主総会の参加資格は?2つの要件と注意点をわかりやすく解説

公開日:2026年03月03日

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更新日:2026年03月03日

    株主総会には定時株主総会と臨時株主総会があり、定時株主総会は、各事業年度の終了後、一定の時期に開催することが会社法で定められています。

    一般に、議決権を行使できる株主として株主総会に出席できるのは、基準日時点で議決権を有している株主です。

    本記事では、株主総会の参加資格を有する2つの要件について詳しく解説します。議決権のない株式や株主総会に代理人が出席する方法、株主総会に参加するメリットも紹介するので参考にしてください。

    1.株主総会の参加資格を有する2つの要件

    株主総会は、株式会社の最高意思決定機関です。株主総会には定時株主総会と臨時株主総会があり、定時株主総会は、各事業年度の終了後、一定の時期に開催することが会社法で定められています(会社法第296条第1項)。[参考1]

    企業側は、基準日時点で株主総会の参加資格を有する株主に対して、法令に従い、招集通知を送付する必要があります。株主総会の参加資格を有する2つの要件について、詳しく見ていきましょう。

    招集通知の記載事項や発送時期については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。

    関連記事:株主総会招集通知とは?記載事項やいつまでに発送すべきか等を解説

    1-1.1)基準日時点で株主であること

    株主総会の参加資格を有するには「基準日」に株主である必要があります。基準日とは、株主総会で議決権の行使が可能な株主を確定するための基準となる日です。

    基準日は、定款で事前に定める方法、または取締役会で個々の株主総会ごとに定める方法のいずれかで設定します。

    基準日から株主総会の開催日までの期間は3カ月以内と会社法第124条第2項で規定されていることから、定時株主総会の基準日は定款に定めるケースが一般的です。[参考2]

    事業年度末日を基準日とする企業が多く、たとえば3月が決算期の企業は3月31日が基準日です。この場合、実務上は、基準日から3カ月以内の6月30日までに定時株主総会を開催するケースが多く見られます。

    臨時株主総会は適時開催するという性質上、事前に基準日を定めることが難しいため、基準日を定める場合は取締役会で株主総会の招集とともに設定することになります。定款に定めがない場合は、基準日の2週間前までに、基準日などの必要事項を公告する必要があります。

    1-2.2)議決権を有していること

    基準日時点で株主であっても、議決権を有していない場合は、株主総会への参加資格を得られません。

    議決権を有していない株主に多いのが、保有株式数が単元未満の場合です。企業は、定款に定めることで単元株制度を導入できます(会社法第188条第1項)。[参考3]

    単元株制度とは、100株や1,000株などの株数を1単元とし、1単元ごとに議決権を付与する制度です。上場株式の場合は、原則として100株を1単元とします。

    たとえば、100株を1単元とする旨を定款に定めている場合、300株を保有する株主がもつ議決権は3個です。保有株数が単元未満の場合は、原則として議決権を行使できず、議決権行使を前提とした株主総会への出席資格は認められません。

    2.議決権のない株式について

    種類株式は、定款に定めることで発行できる、議決権行使や剰余金の配当などに関して異なる定めをした2種類以上の株式です(会社法第108条)。[参考4]

    種類株式の一つに、議決権制限株式があります。議決権制限株式とは、株主総会で議決権行使が可能な事項について、通常の株式と異なる定めをした株式のことです。議決権制限株式の多くは、議決権の代わりに、残余財産の分配や剰余金の配当について優先的な権利が与えられます。

    議決権制限株式には、特定の事項に限り議決権の行使が可能な「制限付き議決権株式(議決権一部制限株式)」と、議決権を完全に排除する「無議決権株式」があります。

    議決権制限株式を発行することで、議決権の行使による企業経営への参加意思はないものの、キャピタルゲインや配当に関心をもつ投資家を集めやすいでしょう。一部の株主による、経営支配の問題も避けやすくなります。

    また、事業承継の際、事業承継者には議決権を有する株式を承継させ、ほかの者には配当が優遇された議決権制限株式を承継させるといった活用方法もあります。

    3.株主総会は代理人による出席も可能

    株主は、代理人による議決権行使が会社法で認められていますが、代理人の資格や手続きが定款に定められていることもあるため、事前に確認が必要です(会社法第310条第1項)。[参考5]

    多くの会社では、株主総会の攪乱防止などを目的として、定款で代理人の資格を「その会社の株主」に限定しています。最高裁判所も、このような定款規定は合理的理由による相当程度の制限として有効であると判断しており、ほとんどの上場会社では、定款により代理人を「他の株主1名」に限定しています。

    代理人に出席してもらう場合の手続きとして、株主本人が作成した委任状の作成・提出が必要です。委任状の様式は企業から届く招集通知に同封されていることが多いですが、見当たらない場合は自身で作成しましょう。代理人の氏名や委任内容、株主本人の署名または記名押印などを明記します。

    作成した委任状は、株主総会当日に代理人が持参し、受付で提出します。代理人の本人確認として、身分証明書の提示を求められた際は対応が必要です。

    4.株主総会に参加するメリット

    株主総会に参加する主なメリットは、以下のとおりです。

    • 経営者の生の声が聞ける

    • 企業が目指す方向性を理解できる

    • ほかの株主の発言から学びを得られる

    社長や取締役が自社の経営状況や今後の方針について話す様子をリアルタイムに聞けるのは、株主総会に参加する大きなメリットです。文書では伝わりにくい温度感も、株主総会であれば、表情や話し方から理解できます。

    また、質疑応答では、ほかの株主の発言から学びを得られることも珍しくありません。株主として、企業に対する新たな視点を見つけるきっかけになるでしょう。

    株主総会について理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしてください。種類や決議事項、開催時期・流れなどを詳しく解説しています。

    関連記事:株主総会とは?種類や決議事項、開催時期・流れをわかりやすく解説

    5.株主総会の参加資格を確認するなら「Legalscape」をご活用ください

    株主総会には定時株主総会と臨時株主総会があり、定時株主総会は、各事業年度の終了後、一定の時期に招集することが会社法で求められています。株主総会の参加資格を有するには、基準日時点で株主であることと、議決権を有していることの2点を満たさなければいけません。

    株主本人が株主総会に参加できない場合は代理人の出席が認められますが、企業が定款に定める要件を満たした上で、所定の手続きを行う必要があるため注意しましょう。

    Legalscapeは、知りたい法情報を検索すると、瞬時に要約・提供するサービスです。会社法に関する法律書籍やガイドラインも豊富で、株主総会の参加資格や、議決権のない株式についての情報も確実かつスムーズに収集できます。

    Legalscapeの無料トライアルをご希望の方は、以下のページをご覧ください。

    本記事の記述は一時的情報であり、特定の事案への法的助言ではありません。

    参考1:会社法 第296条| e-Gov 法令検索

    参考2:会社法 第124条 | e-Gov 法令検索

    参考3:会社法 第188条 | e-Gov 法令検索

    参考4:会社法 第108条| e-Gov 法令検索

    参考5:会社法 第310条| e-Gov 法令検索

    監修者

    吉田 修平

    株式会社Legalscape コーポレート本部法務 Legal Counsel / 弁護士

    2017年に弁護士登録後、インハウスローヤーに転身。金融機関で銀行法務・新規事業開発に携わり、WeWork Japan にてビジネス法務・コンプライアンス体制構築を主導。2024年3月Legalscapeに入社。法務コンプライアンスの知見をプロダクト開発に活かし、リーガルイノベーションの最前線を支える。

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