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契約書に印紙貼付や割印は必要?位置や押し方、双方で必要かを解説

契約書に印紙貼付や割印は必要?位置や押し方、双方で必要かを解説

公開日:2025年12月25日

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更新日:2026年02月06日

    契約書を作成・締結する際、印紙貼付や割印についての手順や対応がわからず、不安な方もいるでしょう。

    本記事では、収入印紙の貼付が必要な契約書の種類や貼付方法、割印の有無・押し方について、わかりやすく解説します。

    トラブルを避けながら、不備なく契約書対応を進めるのにご活用ください。

    1.収入印紙とは?使用される場面を紹介

    収入印紙とは、国が税金や手数料を徴収するために発行する公式な証票です。特定の文書に貼付することで納税が認められます。

    印紙税法では、経済的取引を証明する文書のうち、一定の条件を満たす20種類が課税対象です。具体例は以下のとおりです。

    • 5万円を超える領収書

    • 株券

    • 不動産取引の契約書

    • 株式会社設立時の定款 など

    課税対象となる文書を作成した場合、契約金額に応じた所定の収入印紙を購入し、文書へ貼付したうえで割印をすることで税金を納付します。なお、国が指定する文書のみが課税対象です。[参考1][参考2]

    2.割印とは?消印や契印との違い

    割印(わりいん)とは、複数枚の書類を重ねて少しずらし、境目をまたぐように押す印鑑のことです。契約書へ収入印紙を貼付した場合、印紙と書面の両方にかかるように押印することで、改ざんされていないことを示し、印紙の再利用を防ぐ役割を果たします。

    なお、印紙税法上では印紙への押印を「消印(けしいん)」と呼び、割印は日常的に使われる通称です。

    また、似た言葉として「契印(けいいん)」があります。契印は契約書のページ同士が差し替えられていないことを示すため、当事者が各1カ所ずつ押すものです。契印は文書の同一性を担保するためのもので、印紙税とは関係ありません。割印と契印は目的も対象も異なるため、混同しないよう注意しましょう。

    3.印紙を貼るべき契約書の種類や金額

     収入印紙の貼付対象となる契約書および印紙税額は、以下のとおりです。

    対象の契約書

    印紙税額(1通あたり)

    ・不動産、鉱業権、試掘権、無体財産権、船舶もしくは航空機または営業の譲渡に関する契約書
    ・地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書
    ・消費貸借に関する契約書
    ・運送に関する契約書
    (乗車券・乗船券・航空券・送り状は対象外)

    ・200円〜60万円(契約金額に応じて変動)
    ・契約金額の記載がないものは200円
    ・契約金額1万円未満は非課税(一部対象外あり)
    ・不動産譲渡契約書は税率が軽減されるものもあり(令和9年3月31日作成分まで)

    請負に関する契約書

    ・200円〜60万円(契約金額に応じて変動)
    ・契約金額の記載がないものは200円
    ・契約金額1万円未満は非課税(一部対象外あり)
    ・工事請負契約書は税率が軽減されるものもあり(令和9年3月31日作成分まで)

    合併契約書または吸収分割契約書もしくは新設分割計画書

    4万円

    継続的取引の基本となる契約書
    (契約期間3カ月以内・更新の定めがないものは対象外)

    4千円

    信託行為に関する契約書

    200円

    債務の保証に関する契約書
    (債務契約書へ併記する場合は対象外)

    ・200円
    ・身元保証ニ関スル法律に定める身元保証に関する契約書は非課税

    金銭または有価証券の寄託に関する契約書

    200円

    債権譲渡または債務引受けに関する契約書

    ・契約金額1万円未満は非課税
    ・契約金額1万円以上は200円
    ・契約金額の記載がないものは200円

    [参考1][参考2]

    4.契約書に印紙を貼り割印する際の正しい位置と押し方

    契約書に印紙を貼って割印(消印)する際の位置に決まりはありませんが、印紙の模様と契約書紙面をまたぐように押しましょう。迷う場合は、印紙の右側に押すとよいでしょう。以下の図を参考にしてください。


    本章では、割印する際の基本的なポイントについても紹介します。

    4-1.契約書の印紙に押す割印は甲乙どちらが押すべき?

    共同で作成した契約書に収入印紙を貼る場合、割印(消印)は双方が揃って押す必要はありません。甲と乙のどちらか一方が行えば有効です。両者がそれぞれの印鑑を押しても問題はありません。

    また、押印者は契約書の作成者本人に限らず、代理人や従業者が行うことも認められており、任意で選ぶことが可能です。[参考3]

    4-2.割印時は契印や止印と同じ正式な印鑑が必要?

    収入印紙へ行う割印(消印)は、契約書締結時に押印した正式な実印や契印と同じ印鑑である必要はありません。割印(消印)の目的は印紙の再利用を防ぐことであり、証明力を高めることではないため、シヤチハタや角印、ボールペンによる手書きの署名も有効です。

    署名は、氏名・会社名のどちらでも問題なく、個人名を記載する際は、代表者に限らず代理人や担当従業員の名前でも構いません。

    ただし、法律上の要件を満たしていても、実務の場では社印で割印(消印)するのが一般的です。取引先に形式を軽んじている印象を与えないよう、社内の運用や取引先の慣習に合わせて対応することが望まれます。法律上の要件を満たしつつも、マナーに配慮して対応するよう心がけましょう。

    4-3.2部作成する際は双方に貼り付けと割印が必要?

    契約書が課税文書に該当し、2部以上作成する際は、作成したすべての契約書に収入印紙を貼付する必要があります。印紙税は1通ごとに課されるため、片方が控え分であっても、甲と乙で互いに原本を保有するのであれば、課税対象です。

    また、印紙代は片方がまとめて負担するのではなく、契約当事者がそれぞれ自分の保管分に貼り、個別に負担するのが基本です。

    5.契約書に印紙を貼って割印する際の注意点

    契約書への印紙貼付、及び割印(消印)で注意すべきポイントを解説します。

    5-1.割印を忘れると過怠税が課税される

    収入印紙を契約書に貼付しても、割印(消印)がなければ納税済みとして扱われず、過怠税の対象となります。過怠税とは、印紙税を本来の期限までに正しく納めなかった場合に課される罰則的な税金です。

    割印(消印)を忘れると税金未納と判断され、貼り付けた印紙額全額に相当する額の過怠税が課されます(印紙そのものを貼り忘れた場合は、印紙額の3倍)。印紙税法では、印紙を貼るだけでは不十分で、所定の方法で消印して初めて納付が成立すると定められているため、割印(消印)を忘れないよう注意しましょう。[参考4][参考5]

    5-2.一度貼り付けた収入印紙の再利用は禁止

    収入印紙は一度でも契約書へ貼り付けた時点で、使用されたものとみなされ、割印(消印)の有無に関わらず他の書類へ貼り直すことは法律で禁じられています。割印(消印)していないことを理由に再利用してしまうと、納税逃れとみなされ、違法行為となるため注意しましょう。

    誤って不要な文書に貼った場合、自分で剥がして別の契約書に転用してはいけません。貼り付けた文書を税務署に持参し、還付手続きを行うのが正しい対応方法です。

    手続きが受理されれば、納めた印紙税は銀行振込や郵便口座経由で返金されるため、誤りに気づいたら速やかに相談しましょう。

    5-3.割印に失敗した場合は別の部分に再度押す

    割印(消印)がかすれたり位置がずれたりした場合は、同じ場所に重ね押しする必要はありません。訂正印も不要です。空いている箇所に新しく割印(消印)を押し直すことで、有効と認められます。

    斜線や二重線、消せるボールペンなどでの修正はかえって無効扱いの原因となり得るため気をつけましょう。整った印影を押し直すようにしてください。

    6.電子契約時の収入印紙と割印はどうなる?

    電子契約書は、紙の文書として交付されるものではないため、印紙税の課税対象から外れます。収入印紙と割印(消印)は必要ありません。

    電子契約では、印鑑の代わりに電子署名を用いて文書の真正性を保証しており、誰がいつ承認したかを明確に記録できる仕組みを取っています。

    ただし、電子データで契約書を送付していても、契約前に印刷された紙の書面で合意したとみなされれば紙の契約書が原本扱いとなり、印紙の貼付と割印(消印)が必要です。締結後に印刷して紙を保管する場合はコピーとなるため、印紙貼付や押印はいりません。

    電子契約は印紙代の削減や手続きの簡略化に優れているのがメリットです。しかし、紙と電子が混在するケースでは、どちらが正式な契約書となるかによって印紙の必要性も変わってくるため、扱いを明確にしておくことが重要です。

    7.契約書の不備防止にはLegalscapeによる事前の法令チェックがおすすめ

    国が定めた特定の契約書には、収入印紙の貼付と割印(消印)が求められます。割印(消印)を忘れた場合、過怠税が発生するため注意しましょう。また、2部作成時も、コピーか原本かによって印紙税の対象となるかが変わるため、双方が保有する契約書の扱いをよく確認しておくことが推奨されます。

    不備がないように割印(消印)をして契約をスムーズに進めましょう。

    契約書作成・締結におけるルールが不明瞭なら、Legalscape(リーガルスケープ)で法令を確認しておくと安心です。

    法情報に特化したAIで、必要な法令・判例・文献にすぐアクセスでき、要約も提供するため容易に内容を把握できます。過去のリサーチは管理・共有が可能なため、何度も同じ内容を検索する必要はありません。参照文献の印刷やコピー&ペーストも可能ですので、スムーズに活用できます。

    法令を一つずつ調べて確認する手間を削減したいなら、ぜひLegalscapeをご利用ください。

    本記事の記述は一時的情報であり、特定の事案への法的助言を行うものではありません。

    参考1:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

    参考2:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

    参考3:印紙の消印の方法|国税庁

    参考4:印紙を貼り付けなかった場合の過怠税|国税庁

    参考5:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁

    監修者

    吉田 修平

    株式会社Legalscape コーポレート本部法務 Legal Counsel / 弁護士

    2017年に弁護士登録後、インハウスローヤーに転身。金融機関で銀行法務・新規事業開発に携わり、WeWork Japan にてビジネス法務・コンプライアンス体制構築を主導。2024年3月Legalscapeに入社。法務コンプライアンスの知見をプロダクト開発に活かし、リーガルイノベーションの最前線を支える。

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