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賃貸借契約書で印紙が必要・不要となるケースとは?金額や負担者も解説

公開日:2025年12月25日

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更新日:2026年02月06日

    賃貸借契約書は、契約の内容によって印紙が必要なものと不要なものに分かれています。自社が扱うものが、印紙貼付の対象か不安な方もいるでしょう。

    本記事では、賃貸借契約書における印紙の有無や納めるべき金額、貼り方、印紙代の負担者について解説しています。賃貸借契約書の印紙貼付でよくある質問も載せていますので、ぜひご活用ください。

    1.賃貸借契約書に印紙は必要か

    賃貸借契約書は、土地・建物・車両・駐車場・物品などの貸し借りを行う際に使用する書類です。

    契約書など取引文書のうち国が指定する文書については、印紙税の課税対象となっており、印紙の貼付が必要です。ただし、すべての取引において印紙が必要なわけでなく、内容や状況によって印紙の有無は異なります。

    賃貸借契約取引にかかる印紙について簡単に要・不要を示すと以下のとおりです。

    取引の種類

    印紙の有無

    土地

    原則必要

    建物

    原則不要

    車両

    原則不要

    駐車場

    状況によって変動

    物品

    原則不要

    各項目について、それぞれ解説します。

    1-1.「土地」は原則印紙が必要

    土地(農地を含む)の賃貸借契約書は、印紙税法上の課税文書に分類されるため、原則として印紙の貼付と割印が必要です。

    印紙税額を決める際は契約金額をもとに判断しますが、契約金額は土地そのものの価格ではなく、貸主へ返還しない金銭の額を指します。たとえば、名義変更料・手数料・権利金・更新料など、土地の利用権を得るために支払う対価が該当します。賃料や敷金などは印紙税の対象外となるため、注意しましょう。

    なお、土地の契約書であっても、記載された金額が1万円未満の場合は非課税扱いとなり、印紙を貼る必要がありません。また、土地にある施設を利用する契約をした場合も対象外となり、印紙は不要です。

    土地に関しては原則印紙が必要となるものの、契約書記載の金額が少ないときや土地そのものの契約でない場合は、印紙が不要となるケースもあることを理解しておきましょう。[参考1]

    1-2.「建物」の賃貸借契約では不要

    アパートやマンションなど建物のみを対象とした賃貸借契約書は、課税文書に該当せず、印紙が必要ありません。

    契約書に建物の所在地や敷地面積が記載されていると悩むこともあるかもしれませんが、建物の賃貸借は、建物自体の使用権を取り決める契約です。土地の利用権まで設定しているわけではありませんので、基本的に印紙は不要です。

    しかし、例外もあります。契約内容に建物だけでなく敷地の貸し借りが含まれていると読み取れる場合は、土地の賃借権に関わる書類として扱われ、課税対象になります。

    また、ビルなど高額契約において「建設協力金」や「保証金」を貸主に預け、後日返還する旨が盛り込まれているケースも印紙が必要です。上記の金銭を預ける契約があると、建物契約の枠を超え「消費貸借契約」とみなされるため、課税対象となります。

    建物契約は原則非課税である一方、条件次第では課税文書へと切り替わる性質があるため、記載内容をよく確認して判断しましょう。[参考2]

    1-3.「車両」の賃貸借契約書では印紙不要

    車両を貸し出すだけの契約書であれば、印紙税の課税対象にはならず、印紙を貼る必要はありません。

    ただし、車両の貸与に加えて別の業務をセットで依頼する場合は注意が必要です。たとえば、貸した車を使って荷物の配送や移動を依頼するなど、運送行為が契約内容に含まれるケースが該当します。運送業務が含まれると、運送契約が加わるため、印紙税の課税対象です。

    車両貸借と運送の委託を併せて行う契約を結ぶ際は「運送に関する契約書」として扱われて印紙の貼付が必要となる点を押さえておきましょう。[参考3]

    1-4.「駐車場」は契約内容に応じて変動

    駐車場の契約では、駐車場のある土地や施設をどのように賃貸借するのかによって、印紙税の扱いが大きく異なります。

    まず、借主が駐車場として利用するために更地や未整備の土地を借りる場合は、駐車場ではなく「土地」の賃貸借契約となるため、印紙が必要です。

    一方、すでに舗装され区画も引かれているような、駐車場として整備済みのスペースを利用するだけの契約であれば「建物」の賃貸と同じ扱いになります。土地に付随する施設を借りることになるため印紙はいりません。広い駐車場内の特定の区画のみを利用する契約も同様です。また、車庫を借りる場合も、建物や施設の利用契約として扱われるため、課税対象とはなりません。

    駐車場の契約においては「土地の利用権まで含む契約か」もしくは「施設利用の範囲にとどまる契約か」を正確に判断する必要があります。[参考4]

    1-5.「物品」の貸し借りでは印紙不要

    物品の貸し借りを行う契約書は、課税対象文書にはならないため印紙は不要です。

    代表例として、レンタルサービスを利用する際などが挙げられます。事業者と顧客間で交わす契約書に印紙を貼る場面はなく、印紙代を請求されることもありません。

    2.賃貸契約書における印紙代はいくらでどちらが支払うべきか?

    印紙が必要となる賃貸借契約書は、以下の3種類です。

    • 土地の契約書

    • 消費賃貸に関する契約が含まれるビルなどの契約書

    • 運送に関する契約が含まれる車両の契約書

    上記の契約書に必要な印紙代を一覧にしましたので、ご確認ください。

    契約金額

    印紙代(納税額)

    1万円未満

    非課税

    1万円以上10万円以下

    200円

    10万円を超え50万円以下

    400円

    50万円を超え100万円以下

    1千円

    100万円を超え500万円以下

    2千円

    500万円を超え1千万円以下

    1万円

    1千万円を超え5千万円以下

    2万円

    5千万円を超え1億円以下

    6万円

    1億円を超え5億円以下

    10万円

    5億円を超え10億円以下

    20万円

    10億円を超え50億円以下

    40万円

    50億円を超えるもの

    60万円

    契約金額の記載なし

    200円

    ※掲載情報は、2025年11月18日時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。

    土地・ビルの賃貸借契約では、契約金額が高額となる可能性もあり、コンビニエンスストアなどでは印紙の在庫がなく購入できない可能性もあります。事前に必要な額を確認し、郵便局で購入するようにしましょう。

    また、印紙代を負担する人について決まりはなく、借主・貸主のどちらが支払っても構いません。

    印紙税法では、契約書の作成者に納税義務があるため、共同作成しているのであれば両者で負担し合うのが基本です(印紙税法第3条)。2通作成し、1通ずつを双方で保有するのであれば、各々が1通分の印紙代を負担します。

    1通を原本とし、どちらかがコピーを保管する場合は、印紙代は1通分のみとなるため、印紙代の負担者は話し合って決めます。[参考3][参考5]

    3.賃貸契約書の印紙の貼り方と割印の押し方

    賃貸借契約書に印紙を貼る場合の位置と割印の押し方について解説しますので、参考にしてください。

    3-1.紙を貼る位置に決まりはない

    契約書内の印紙を貼る位置について、特段ルールは定められていません。任意の場所に貼り付けることが可能です。

    しかし、一般的には契約書の左上に貼ることが推奨されているため、迷う場合は左上に貼りましょう。

    3-2.印紙を貼る際は割印が必須

    収入印紙を契約書に貼付する場合は、改ざん防止や再利用を避けるため、印紙の模様部分と契約書紙面の両方にまたがるように割印(消印)を行うのが決まりです。

    割印を押す位置に厳密な決まりはありませんが、迷った際は印紙の右下あたりに押すとよいでしょう。割印を行うのは契約書の作成者本人だけでなく、代理人や担当社員でも問題ありません。複数名が関与した契約でも1名分の割印があれば有効です。

    また、使用する印鑑も自由で、割印担当者による直筆の署名でも同様の効力があります。ただし、契約の締結時に押した印鑑を用いるのがビジネスマナーにおいて一般的です。[参考6]

    割印の詳しいルールや方法については、以下の記事でも解説していますので、ぜひお読みください。

    関連記事:契約書に印紙貼付や割印は必要?位置や押し方、双方で必要かを解説

    4.賃貸借契約書の印紙貼り付けにおけるよくある疑問

    賃貸借契約書の印紙貼付や割印を進めるにあたって、よくある質問をまとめましたのでご確認ください。

    4-1.契約書を2部作成した場合は両方に印紙が必要?

    契約書を2通作成し、双方がそれぞれ原本として保管する場合、どちらの契約書にも収入印紙を貼付する必要があります。2通の書面がそれぞれ独立した課税文書として扱われるためです。

    内容が同一であっても、それぞれに収入印紙が必要であるため注意しましょう。ただし、作成した契約書のコピーを片方が保管する場合は、印紙が不要です。

    4-2.印紙を貼り忘れた場合はどうなる?

    本来印紙を貼付すべき賃貸借契約書に印紙が貼られていない場合は、印紙税を納めなかったと判断され、過怠税の対象になります。過怠税は「未納だった印紙税額+その2倍の額」が課されます。

    また、印紙を貼っていても割印の処理を忘れていると、未使用の印紙とみなされ、同様に過怠税が課される可能性があるでしょう。

    一方、印紙の貼り忘れがあったとしても、契約書としての効力は失われません。収入印紙はあくまで税金納付の証明であり、契約内容そのものの有効性には影響しないためです。ただし、余計なペナルティを避けるためにも、締結時に印紙の有無と消印の状態を丁寧に確認しておくことが大切です。[参考7]

    4-3.割印に失敗したときはどうする?

    割印の印影がかすれていたり途切れていたりすると、正式な消印として扱われないおそれがあります。

    不十分な印影になってしまった場合は、斜線で修正したり重ね押ししたりするのではなく、印紙にまたがる位置を変えて鮮明に押し直すようにしましょう。確実に読み取れる印影を残すことが基本であるため、ミスによって印影が増えても問題はありません。

    4-4.更新の契約書では印紙がいる?

    賃貸借契約においては、契約更新時に「更新契約書」を作成する場面もあるでしょう。更新契約書は、賃貸借契約書とは別の文書として扱われるため、内容が課税文書に該当する場合は、改めて印紙を貼付する必要があります。

    更新であることを理由に印紙が不要となるわけではありませんので、注意しましょう。

    4-5.電子契約時は印紙不要?

    賃貸借契約を紙ではなく電子データで締結する場合、印紙税の対象となる「課税文書」を作成したことにはならないため、収入印紙を貼る必要はありません。

    なお、電子契約であれば印紙税の納税や郵送・保管の手間も省け、スムーズに契約を完了できるため、印紙税の負担や作業を避けたい場合には有力です。[参考8]

    5.賃貸借契約書作成時には事前にLegalscapeで法令を確認しておこう

    賃貸借契約書は、契約内容によって収入印紙の有無が異なるのが注意点です。また、印紙を貼る際には割印も必須で、忘れた場合は過怠税が課される可能性があります。

    自社の取引が課税文書の対象となるのか、取引対象の種類だけでなく、細かな契約内容や金額まで確認し判断しましょう。賃貸借契約書の作成や締結において不安がある方は、事前に法令をチェックしておくと安心です。

    Legalscape(リーガルスケープ)は、必要な法令や判例・文献をAIを使ってすぐにチェックできるサービスです。要約も提供されるため、膨大な内容もすぐに理解できます。リサーチした内容は保存・共有が可能なため、頻繁に調べるものはまとめることができ、管理もスムーズです。参照した文献の印刷・コピペも可能ですので、活用の幅も広がります。

    安心して取引を進めるために、ぜひLegalscapeをご活用ください。

    本記事の記述は一時的情報であり、特定の事案への法的助言を行うものではありません。

    参考1:No.7101 不動産の譲渡・土地の賃貸借・消費貸借・運送等に関する契約書|国税庁

    参考2:No.7106 建物の賃貸借契約書|国税庁

    参考3:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

    参考4:No.7107 駐車場を借りたときの契約書|国税庁

    参考5:印紙税法 | e-Gov 法令検索

    参考6:印紙の消印の方法|国税庁

    参考7:印紙を貼り付けなかった場合の過怠税|国税庁

    参考8:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁

    監修者

    吉田 修平

    株式会社Legalscape コーポレート本部法務 Legal Counsel / 弁護士

    2017年に弁護士登録後、インハウスローヤーに転身。金融機関で銀行法務・新規事業開発に携わり、WeWork Japan にてビジネス法務・コンプライアンス体制構築を主導。2024年3月Legalscapeに入社。法務コンプライアンスの知見をプロダクト開発に活かし、リーガルイノベーションの最前線を支える。

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