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請負契約書に収入印紙は必要?金額表や貼り方・不要な場合も解説

請負契約書に収入印紙は必要?金額表や貼り方・不要な場合も解説

公開日:2025年12月25日

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更新日:2026年02月06日

    請負契約書は、契約金額や契約の形式によって収入印紙が必要となる場合があります。なぜなら印紙税は、契約書の金額や内容に応じて課税される税金であるためです。印紙の貼り忘れや誤った取り扱いは、過怠税や罰則の対象になる可能性があります。

    本記事では印紙が必要となるケースと不必要なケース、印紙の貼り方や消印の仕方、節約方法、さらに貼り忘れた際の罰則までを整理して解説します。

    請負契約書を適切に取り扱うための知識を身につけたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

    1.請負契約書に印紙は必要?

    請負契約書には、内容によって収入印紙が必要になる場合があります。請負契約書は印紙税の課税文書に分類され、一定の取引金額を超えると印紙税の納付義務が発生するためです。

    最初に、請負契約書に印紙が必要なケースと不要なケースを見ていきましょう。

    1-1.必要な場合

    契約金額が1万円を超える請負契約書には、収入印紙が必要です。請負契約書は印紙税額一覧表の「第2号文書(請負に関する契約書)」に該当し、課税文書として扱われるためです。

    印紙税は商取引に用いる文書に課される税金で、課税文書を作成した場合は取引金額に応じた印紙税を納付する必要があります。そのため契約金額が1万円を超える請負契約書を作成した際は所定額の収入印紙を購入し、契約書へ貼り付けなければいけません。

    なお印紙が必要になる「請負契約」とは、請負人が仕事の完成を約束し、注文者がその報酬を支払うことで成立する契約を指します。

    請負と聞くと建設工事などの有形物をイメージしがちですが、警備や機械保守、清掃などの無形の成果を目的とする場合も含まれます。[参考1][参考2]

    1-2.不要な場合

    請負契約書であっても印紙が不要となるケースは、以下のとおりです。

    • 契約金額が1万円未満の場合

    • 同一の契約書を大量に作成する場合

    • 電子契約で締結した場合

    同一の契約書を大量に作成する場合、税務署長の承認を受けて印紙の貼付けを省略し、1カ月分まとめて金銭で納付する方法が選べます。電子契約で締結した場合も、印紙税は課されません。

    契約方式や金額によって印紙の要否が異なるため、契約書を作成する際は条件を正しく確認することが重要です。[参考3][参考4]

    2.請負契約書に必要な印紙の金額表

    請負契約書に必要な印紙の金額は、以下のとおりです。

    記載された契約金額

    税額

    1万円未満

    非課税

    1万円以上100万円以下

    200円

    100万円超200万円以下

    400円

    200万円超300万円以下

    1,000円

    300万円超500万円以下

    2,000円

    500万円超1,000万円以下

    1万円

    1,000万円超5,000万円以下

    2万円

    5,000万円超1億円以下

    6万円

    1億円超5億円以下

    10万円

    5億円超10億円以下

    20万円

    10億円超50億円以下

    40万円

    50億円超

    60万円

    契約金額の記載なし

    200円

    ※掲載情報は、2025年11月18日時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。

    また、建設工事の請負契約書のうち一定額の契約金額を超えるもので、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成された契約書の税額は、以下のように軽減措置があります。

    契約金額

    本来の税額

    軽減税額

    100万円超200万円以下

    400円

    200円

    200万円超300万円以下

    1,000円

    500円

    300万円超500万円以下

    2,000円

    1,000円

    500万円超1,000万円以下

    1万円

    5,000円

    1,000万円超5,000万円以下

    2万円

    1万円

    5,000万円超1億円以下

    6万円

    3万円

    1億円超5億円以下

    10万円

    6万円

    5億円超10億円以下

    20万円

    16万円

    10億円超50億円以下

    40万円

    32万円

    50億円超

    60万円

    48万円

    ※掲載情報は、2025年11月18日時点のものです。情報は変更される可能性があるのでご注意ください。[参考1][参考5]

    3.収入印紙代はどちらが負担するべきか

    収入印紙代は、原則として契約書を作成した側が負担します。印紙税法では、課税文書を作成した者に印紙税を納める義務があると定められているためです。一方の当事者が契約書を作成し、もう一方に提示する形式の場合も、作成者が印紙税を負担することになります。

    しかし実際には、請負契約書は双方が1部ずつ保管できるように原本を2部作成するケースが一般的です。この場合、双方が文書の作成者とみなされるため、印紙税法上は連帯して印紙税を納める義務が生じます。

    契約時にどちらが負担するか確認しておくと、トラブルを防げます。[参考6]

    4.契約書への収入印紙の貼り方・消印の押し方

    収入印紙は契約書の表紙左上、または署名欄があるページの隅に貼るのが一般的です。契約書を閉じたときにも印紙の貼付が確認しやすく、印紙税を納めた事実が明確に確認できるためです。

    印紙を貼る位置に法律上の厳密なルールはなく、どこに貼っても無効にはなりませんが、複数枚貼る場合は重ならないよう注意しましょう。

    重要なのは、消印を行うことです。収入印紙は貼っただけでは印紙税を納めたことにならず、再利用も可能な状態のままです。

    消印は印紙と契約書の両方にまたがるように印鑑を押すか、ボールペンで署名を行います。署名は氏名などで問題ありません。押印や署名で印紙が再利用できなくなり、印紙税が納付された事実が証明されます。

    なお消印は、課税文書を作成した者やその代理人・従業員など、誰か一人が押せば問題ありません。使用する印鑑は契約書に押したものと同じでなくても問題ないですが、斜線を引いたり「印」と記載するだけでは、署名にならず消印したことになりませんので注意しましょう。[参考7]

    5.印紙代を節約する方法

    請負契約書の作成では、記載方法や契約書のまとめ方によって印紙代を抑えられる場合があります。印紙税は契約金額や文書数で決まるため、工夫次第で負担の軽減が可能です。ここでは、代表的な節約方法を2つ紹介します。

    5-1.消費税抜きの金額を記載する

    印紙代を節約する方法の一つは、契約金額を消費税抜き表示にすることです。請負金額と消費税額を区別して記載すると、契約金額が印紙税の区分において低く扱われ、印紙代が安くなるケースがあります。

    たとえば、請負金額5,000万円の工事契約を考えます。消費税10%で計算すると、消費税額は500万円です。この金額をまとめて「請負金額5,500万円」と記載した場合、5,000万円を超える契約となるため、印紙税は軽減後の税額で3万円です。

    一方、契約書に「請負金額5,000万円、消費税額500万円」と別々に記載した場合、請負金額はあくまで5,000万円以下として扱われます。印紙税は軽減後の税額で1万円となり、同じ契約内容でも2万円の節約が可能です。

    金額の記載方法を工夫するだけで印紙代を抑えられるため、大きな金額の請負契約書では特に効果的といえます。

    5-2.複数書類を一つに統合する

    印紙代を抑えるもう一つの方法は、複数の契約書を一つにまとめることです。印紙税は「文書一つごと」に課税されるため、契約内容を分けて複数の契約書を作成すると、その分だけ印紙代が増えてしまいます。

    たとえば、同じ工事内で600万円の契約と1,200万円の契約を別々に締結したとしましょう。それぞれ契約書を作成すると、600万円の契約に5,000円、1,200万円の契約に1万円の印紙税が必要となり、合計1万5,000円を負担することになります。

    しかしこの2つの契約内容を一つの契約書にまとめた場合、請負金額は合計で1,800万円となります。この場合の印紙税額は軽減後の税額で1万円となるため、別々に契約書を作成した場合と比べて5,000円の節約が可能です。

    6.請負契約書に印紙を貼り忘れたときの罰則

    請負契約書に収入印紙を貼り忘れたり、貼った印紙に消印をしなかったりすると、印紙税法上の罰則が科されます。過怠税と刑事罰について、順番に見ていきましょう。

    6-1.過怠税

    請負契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、本来の印紙税に加えて過怠税が課されます。過怠税は、納付漏れが発覚した際に追徴される罰則です。

    過怠税は、納付しなかった印紙税額に、その2倍を加えた金額(合計で印紙税額の3倍)が徴収されます。たとえば、本来1万円の印紙税が必要だった契約書で貼り忘れがあった場合、3万円の過怠税を納める必要が生じます。

    また収入印紙を貼っていても、消印がされていない場合は過怠税の対象です。この場合は消されていない印紙の額面金額に相当する過怠税が徴収されます。印紙が未使用とみなされ、再利用されることを防ぐための罰則が科される仕組みです。

    貼り忘れや消印漏れに気付いた際には、速やかに税務署へ相談し、必要な手続きと納付を行うことが重要です。[参考8]

    6-2.刑事罰

    収入印紙の貼り忘れや未消印が単なるミスでなく、悪質な脱税行為と判断された場合は刑事罰の対象です。

    たとえば偽りその他不正の手段で印紙税を免れようとした場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、もしくはその両方が科される可能性があります。さらに印紙税額の3倍が100万円を超える場合は、情状によりその3倍まで罰金を科すことも可能です。

    また故意でなくても、課税文書に収入印紙を貼付しなかった場合に、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されることがあります。加えて、貼付した収入印紙に消印を押さなかった場合も30万円以下の罰金が定められています。[参考9]

    7.印紙に関わる法令は「Legalscape」で効率的に検索

    請負契約書に収入印紙が必要かどうかは、契約金額や契約方式で判断が分かれるものです。印紙税額一覧表の区分や消費税の記載方法による印紙代の違い、複数契約の統合による節税方法など、正しい知識を押さえることで余計な負担を減らせます。

    こうした印紙税や契約書に関する法情報を正確に調べたいときは、Legalscapeが便利です。リーガルリサーチAIが関連法令・判例・解説を瞬時に要約し、知りたいポイントだけを効率よく把握できます。

    参照元は業界最大級の法律書籍、判例、法令、ガイドラインから構成されており、信頼性の高い情報にすぐアクセスできます。法情報を正しく理解し、実務に活用したい方は、ぜひ以下のページよりLegalscapeをご利用ください。

    本記事は一般的情報であり、特定の事案への法的助言ではありません。

    参考1:No.7102 請負に関する契約書 | 国税庁

    参考2:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで | 国税庁

    参考3:印紙を貼らないで印紙税を納付する方法 | 国税庁

    参考4:取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い | 国税庁

    参考5:建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置 | 国税庁

    参考6:課税文書の作成時期及び作成者 | 国税庁

    参考7:印紙の消印の方法 | 国税庁

    参考8:印紙を貼り付けなかった場合の過怠税 | 国税庁

    参考9:印紙税法 | e-Gov法令検索

    監修者

    吉田 修平

    株式会社Legalscape コーポレート本部法務 Legal Counsel / 弁護士

    2017年に弁護士登録後、インハウスローヤーに転身。金融機関で銀行法務・新規事業開発に携わり、WeWork Japan にてビジネス法務・コンプライアンス体制構築を主導。2024年3月Legalscapeに入社。法務コンプライアンスの知見をプロダクト開発に活かし、リーガルイノベーションの最前線を支える。

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