
グループ執行役員 Chief Legal Officer 弁護士 関田 雅和様
法務コンプライアンス1部 弁護士 駒居 卓朗様
個人事業主・法人向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」、お金の見える化サービス「マネーフォワード ME」、金融関連サービスの開発・提供など、さまざまなサービスとプロダクトを展開するマネーフォワードグループ。その成長を下支えするのが、法務コンプライアンス本部です。
「攻めと守りの法務」をキーワードに掲げる同部署が、なぜLegalscape(リーガルスケープ)の導入へと至ったのか。リーガルリサーチの効率化は、グループ全体の事業成長にどのようなメリットをもたらすのか。そしてAI時代に求められる、法務人材の資質とは。
「AIリーディングカンパニー」を標榜する同グループならではの視点から、その挑戦を紐解きます。
株式会社マネーフォワード
業種
IT・インターネット
法務人数
11~20人
従業員数
1001~5000人
この記事のポイント
金融関連法などの専門性が高い分野でも、リサーチの初速が向上
AIリサーチを活用すれば、論点の「抜け漏れ」を未然に防げる
問い合わせ対応の迅速化により、事業の成長にも貢献
——まずは御社の法務部門の特徴や、めざすべき法務の姿について教えてください。
関田様:法務コンプライアンス本部では、「攻守の要となり社会からの要請にこたえ、マネーフォワードグループの存続と発展を支える」というビジョンを掲げています。
法務部門としては、リーガルリスクを低減・コントロールすることで、グループ全体の「守り」とともに事業戦略を実現していくための「攻め」の提案もしていきたいと考えています。リスクテイクのラインを適切に示すことで、さまざまな領域での事業展開を加速させていくことは、私たちの重要な役割だと考えています。
——「攻守のバランスがとれた法務」を目指す上で、リーガルテックが果たすべき役割をどのようにお考えですか?
駒居様:リーガルテックは、まさに「攻めと守りの法務」の実現に欠かすことのできない「基盤」であると位置づけています。
法務部門が管掌する領域も拡大している中、当社の場合、事業領域も拡がり続けています。結果として、対応すべき案件数も増えていますし、考えなければならない論点も、ますます複雑化しています。そのような状況下でも、事業戦略を実現していくためには、私たち法務にも当然スピードが求められており、業務の正確性とスピードを両立していくためにはリーガルテックの活用は必要不可欠です。
——リーガルリサーチについては、具体的にどのような課題を抱えていたのでしょうか?
関田様:まずは一般論として、リーガルリサーチを進めるにあたって目を通さなければならない資料や情報は、時代とともに加速度的に増えています。
たとえば、私が弁護士になった20年ほど前であれば、「民法ならこの一冊」といった書籍が、それぞれの分野に存在していました。 けれど、今は当時とは比較にならないくらい、膨大な数の参考書が流通しています。それはポジティブなことでもありますが、そのすべてを網羅的に把握することが、どんどん困難になっていることも事実です。
そうしたなかで、効率的にリサーチを進めるためには、テクノロジーの力を頼るほかない、というのは以前から考えていたことでした。

駒居様:当社が金融領域でも事業展開してきたことも、リーガルリサーチの難易度を高めていると感じています。
複雑で専門性が高く、変化も激しい金融関連法は、知識が手薄になる分野です。これまで勉強したことがなかった私がリサーチを進めるにあたって、まずは何から調べていけばいいのか、その取っかかりがつかめないことも少なくありませんでした。そこは間違いなくボトルネックになっていたと感じています。
関田様:コロナ禍を経て、リモートワークが当たり前になったことも大きいですね。当社では現在、週2日の出社を原則としています。そのなかで、自宅でも自由に書籍にあたれる環境をつくることは、喫緊の課題でした。実際、Legalscape(リーガルスケープ)の導入以前は、駒居さんも大きなバッグに書籍を一杯つめこんで出退勤していましたよね(笑)。
駒居様:そうですね(笑)。会社の書庫にない書籍が必要になった時は図書館や書店に赴いて資料を集めていました。そうすると、どうしてもリサーチに時間がかかってしまい、結果的に事業部門のみなさんからの問い合わせにも、スピーディーに答えられなくなってしまいます。そのことに、私自身もどかしさを感じていました。
——そうした課題を解決するツールとして、さまざまなリーガルテックのなかから、Legalscapeをお選びいただいた理由を教えてください。
駒居様:『会社法コンメンタール』をはじめ業務に欠かせないコンテンツが収録されていることはもちろんですが、やはり決め手となったのは、他社のツールに先駆けてAI検索機能が搭載されていたことですね。ChatGPTを使うのと同じような感覚で、抽象的な質問を投げかけるだけで、しっかりとした根拠に基づく回答を返してくれる。UXも洗練されていて、直感的に扱えることも魅力的でした。
関田様:選定にあたっては、さまざまなサービスを比較検討しましたが、駒居さんをはじめとするメンバーの高い評価を踏まえて、コストパフォーマンスなども総合的に判断し、最終的にLegalscapeの正式導入へと至ったかたちです。
——導入後は具体的に、どのようにLegalscapeをご活用いただいているのでしょうか?
駒居様:業務の流れとしては、事業部門からの問い合わせを受けて、事実関係を把握した後に最初に取り組むのが関連法令のリサーチ業務です。
まずは、自分なりに論点を整理しながら、リサーチAIのWatson & Holmes(ワトソン & ホームズ)にざっくりとした質問を投げかけます。この段階で大切にしているのは、論点の抜け漏れをなくすために、できるだけ幅広く情報を収集することです。そのため、Legalscapeだけではなく、ChatGPTやPerplexityといった複数のAIツールにも同様の質問をするようにしています。これがリサーチの第一段階です。
そのうえで、Watsonが提示してくれた文献をLegalscapeで確認したり、「更問機能」で違う角度から質問したりしながら、論点を特定していきます。その後は特定した論点を正確に把握するためのリサーチを行います。この段階でも、ほかのAIツールを併用しますが、回答の精度や信頼性の高さという点では、Watson & Holmesが最も優れているという印象です。
関田様:「論点の抜け漏れをなくす」というのは非常に重要で、かつてはそうしたリサーチスキルを身につけるためには一定の時間と経験が必要でした。Watson & HolmesのAI検索機能は、まさにその部分をアシストしてくれる。ほかのツールにはない、Legalscapeの大きな強みだと思います。
——ちなみにリサーチ業務以外で、Legalscapeを利用することはありますか?
駒居様:契約書の条項案をつくる際にも、Watson & Holmesを活用しています。ここでもほかのAIツールにも同様の質問を投げかけますが、やはりLegalscapeの回答は質が高いと感じています。

——Legalscapeの導入によって、業務にはどのような変化があったでしょうか?
関田様:リサーチ業務は確実に効率化しています。当社では事業の拡大に伴って、事業部門からの問い合わせも常に微増しているのですが、法務のメンバーを増員することなく、それに応えることができています。また、それだけではなく、先ほどもお伝えしたように、論点の抜け漏れがなくなったことも含めて、リサーチの質そのものも上がってきていると感じています。
駒居様:私自身の実感としても、1件1件の問い合わせに対する回答のスピードと質は、明らかに向上しました。回答のスピードが上がると、事業部門のみなさんの心理としても、私たちに気兼ねなく問合せができるようになります。
事業部門のみなさんが「何となく法務には相談しづらい」という雰囲気が生まれてしまうことは、会社にとっての最大のリーガルリスクになると思っています。とはいえ、もちろん法務のリソースにも限界があります。だからこそ、そこをテクノロジーの力で補ってくれるLegalscapeの存在は、本当に心強く、Legalscapeで得られているメリットは非常に大きいと思います。
関田様:業務上の変化ではありませんが、Legalscapeのようなリーガルテックは、法務人材のエンゲージメント強化にも貢献してくれているはずです。特にマネーフォワードグループは「AIリーディングカンパニーになる」ということを全社として打ち出しています。それにも関わらず、「リーガルリサーチはすべて紙で行っています」ということでは、せっかく採用した優秀な法務人材をがっかりさせてしまう。
当然ですが、マネーフォワードグループが打ち出していることに法務部門としてしっかりとコミットし、体現していく。そういう意味でも、リーガルテックの活用は、これからの法務部門にとって欠かせない要素になっていくはずです。
——今後、さらにLegalscapeに期待することがあれば教えてください。
関田様:コンテンツはすでに十分に充実していますが、強いて言えば法制審議会の議事録が収録されるようになれば、さらにありがたいですね。というのも、当社では、最新の法令について確認しなければならないことも多く、条文の解釈を示した書籍などが存在しないことも少なくありません。
そんなときに、Legalscape上で議事録を閲覧し、スムーズに立法趣旨に遡ったり、それに基づいてAIが見解を提示してくれるようになれば、より一層業務の効率化が進むと思います。
駒居様:私は、各社・各人が個別にデータセットを選択することができるなどチューニングできるようになれば面白いなと感じています。そのほか当社であれば、関田さんがこれまでの経験も踏まえ特定の分野において重視している文献をあらかじめ選んでおき、それをデータセットとしてAI検索ができるようになる、とかも面白そうです。関田さんの知見に質問ができるようになるイメージかもしれません。
関田様:それで言うと、契約書や社内規程をデータセットに加えられるようになれば、もっと嬉しいかもしれません。法令的には問題がなくても、過去の契約や社内規程に抵触してしまう事案というのは少なからずあるので、それをAIが指摘してくれるようになれば、こんなに便利なことはないと思います。
——本日はありがとうございました。最後に、少し大きな問いになってしまうのですが、AIの進化によって法務人材のあり方がどのように変化していくのか、ぜひおふたりの考えを聞かせてください。
関田様:まずはどんなにAIが進化したとしても、最終的に責任をとるのは「人」だということは忘れてはならないと思います。AIの見解が本当に正しいのか、それを見極める知識と思考力は、これからも変わらず必要になってくるはずです。
その上で、来るべきAI時代において、私たち法務部門に何より求められるのは、コミュニケーション能力をはじめとしたソフトスキルだと考えています。たとえば、Legalscapeの活用によってどんなにリサーチ業務が効率化したとしても、そこで得た情報を事業部門に伝える際には、それを事業部門が理解しやすい、使いやすい形にしなければなりません。この伝えるというラストワンマイルは非常に重要であり、高度な「翻訳力」がより求められるようになっていくのではないでしょうか。
駒居様:同感です。そしてそこで適切な「翻訳」をするためには、まずは事業部門のみなさんが真に求めていることは何なのかを、正しく把握する力も重要になってくると考えています。そのために私自身も、コミュニケーション能力を磨くとともに、自社のビジネスについての理解もさらに深めていきたいです。それが結果的に、「リーガルテックを正しく使いこなすこと」にもつながっていくのではないかと考えています。

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